大願成就の島 硫黄島熊野三山


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[83] 特別講義「薩摩硫黄島の熊野三山と『平家物語』」を視聴して Name:齋藤功貴(野中が代理投稿) Date:2018/03/26(月) 22:21 [ 返信 ]
「延慶本平家物語」が、脚色が少なく最も史実に近いということは納得できました。そのうえで「平家物語」はどこまでが史実に基づいているのか、特に硫黄島での出来事は、フィクションなのか否か明らかになってはおらず、都の宮廷人が想像で描いたとも考えられていたので、実際に硫黄島に赴き平家物語が史実に基づいているか検討することが有効なことであったと理解できました。「平家物語」研究の枠組みを飛び越え、物語当時を対象とした他の文献も参考にすることで研究が重層的かつ、説得力が増していくことが分かりました。中でも地理学的視点(現在の海流図等)を用いて、「平家物語」に見られる硫黄島の描写が一致するか否かを明らかにするといった研究方法は目から鱗という気もしました。さらに、延慶本平家物語の表現から三人の住居を明らかにしていく過程は説得力があり、五十余長を実際に歩くことで五キロ未満であることが明らかになることも、実際に歩かなければわからないことなので、硫黄島に赴くことが有効だと思いました。和歌山の熊野大社の本宮と新宮が川で繋がれているため、硫黄島の俊寛堂こそ本宮であったという仮定は非常に鋭いものです。川が屈曲しているという地形が熊野神社に適する地形である点も一つの有効な証拠であります。三つの謎が関連しながら、那智の滝に相当する滝が硫黄島にあることも明らかになったことにより、いよいよ「平家物語」硫黄島の場面がフィクションとすることはできないということが分かりました。今回の放送を見て、率直な感想は「面白い」というものでした。それは今まで、文学研究をする際の手段は、テキスト論、歴史学、という視座から偏った切り口から研究しており、作品に対して重層的な見解を述べることができていなかったという私自身の経験があり、その点から考えると、野中先生の「平家物語」研究は、フィールド―ワークを交えていることからもわかるように、非常に奥行きのあるものでした。また一つの視座に拘泥しない姿勢から、鋭い仮説を立て、その仮説を立証していく過程は見事だと思いました。一つのことを探求するには、考古学、民族学、歴史学といったカテゴリ―の枠組みを飛び越えることが有効な手段だということを学びましし、できればもっと早くこのような研究手段を目の当たりにしたかったと痛感いたしました。


スレッド記事表示 No.83 特別講義「薩摩硫黄島の熊野三山と『平家物語』」を視聴して 齋藤功貴(野中が代理投稿) 2018/03/26(月) 22:21 [ 返信 ]
   ┗No.84 RE:ありがとうございます 野中哲照 2018/03/31(土) 09:59

  




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